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日本伝統俳句協会 関西支部大会 2018年5月27日

5月27日の日曜日、日本伝統俳句協会の関西支部大会へ参加して参りました。

句会場は大阪工業大学の研修センターで、吟行地として案内されたのは研修センターの隣にある城北公園(菖蒲園)と淀川ワンド群でした。

われわれ野蒜会のメンバーは池田雅かずと笹尾玲花、笹尾清一路が参加。

出句は嘱目・当季雑詠の三句です。

 

参加者が202名の大句会でした。

互選は1人3句、選者選は特選3句と入選10句です(選者は日本伝統俳句協会、関西支部長の千原叡子先生と関西の主要俳句結社の主宰の皆様が務められました)。

 

結果は下記の通りです。

◇小杉伸一路(九年母主宰)選

特選 1席 水馬光の靴を履きにけり       笹尾清一路 

   3席 ゆつたりと水の広さを夏燕      池田雅かず

   入選 空の色少し貰つて糸蜻蛉       池田雅かず

 

◇和田華凜(諷詠主宰)選

特選 2席 空の色少し貰つて糸蜻蛉       池田雅かず

   入選 ただ日傘差しかけくれしだけのこと  笹尾玲花

 

◇大橋 晄(雨月主宰)選

特選 3席 夏蝶の迅さひかりとなる高さ     池田雅かず

 

◇水田むつみ(田鶴主宰)選

特選 3席 ただ日傘差しかけくれしだけのこと  笹尾玲花

 

 ◇千原叡子(関西支部長)選

入選 ゆつたりと水の広さを夏燕         池田雅かず

 

 ◇山田佳乃(円虹主宰)選

入選 行々子釣人の浮き動かざる         笹尾清一路

 

 

私、笹尾清一路の句

   水馬光の靴を履きにけり

は、本当であれば「あめんぼう」でなければならないと、小杉伸一路先生よりご指導いただきました。

吟行をした城北のワンドは、淀川の流を引いた溜池のようなもので、流れはありません。そこにはたくさんのアメンボウが水の上を歩いていました。よく見るとアメンボウの足と水の接点が水面張力で膨らんで光っていました。そこでその光を靴に見立てて詠んだのがこの句です。

私はアメンボウのことをミズスマシとも呼んでいました。歳時記では「あめんぼう」の傍題に「水馬(ミズスマシ)」があります。それは地方によってはアメンボウのことをミズスマシと呼んでいたからです。

しかし、実際はアメンボウとミズスマシは違います。アメンボウは水の上を六本の足で歩く昆虫ですが、ミズスマシはゲンゴロウを小さくしたようのな昆虫で、水の中で生活をします。正確に言うとアメンボウとミズスマシは別物なのです。

小杉伸一路先生からは、常々、読む人のことを考えて句を作らなければならないと教えを受けております。

そこで、私の中ではこの句は

   あめんぼう光の靴を履きにけり

で、記録することにいたしました。これで読む方の迷いもなくなります。

 

   行々子釣人の浮き動かざる

城北のワンドを囲む茂みから、葭切(南方から渡来する夏鳥。行々子ともいう)がけたたましく鳴いていました。

この日は天気もよく、多くの釣人が釣糸を垂らしていました。鮒を狙っているのでしょう。しかし、誰一人竿を撓らせてはいませんでした。

賑やかなのは葭切ばかり。その景を読みました。

 

互選にも選者選にも全くかからなかった句が、

   ジグザグに道なき道を水馬

でした。

水面を斜め斜めに進むアメンボウを詠んだのですが、どうやら一人善がりの句のようです。ジグザグという音の響きも悪い。

このジグザグという言葉の発想に溺れてしまいました。反省です。

(清一路記)