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九年母阪神支部句会 2018年7月14日

九年母、阪神支部の句会に参加いたしました。

兼題は「万緑」と「打水」です。

 

 

「万緑」は最近生まれた季題です。

中村草田男の「万緑の中や吾子の歯生えそむる」という句が名句として認められ、歳時記に載るようになりました。

王安石(おうあんせき)の詩句「万緑叢中紅一点」から中村草田男が季題として使用したとあります。

見渡す限りの緑。みなぎる生命力が感じられます。パワーのある季題だと受け止めました。

しかしながら、私は上手くこの季題をとらえられなかったようで、互選は頂いたのですが、選者選をいただく句を作ることができませんでした。

 

その「万緑」での出句のひとつ

 

万緑の土へ屍の還りけり

 

「万緑」のパワーを活かそうと考えて作り、ある程度自信を持って出句した句なのですが、屍でしょうか、内容が強すぎてどうもひとりよがりの句になったようです。この句は互選もゼロでした。

頭をクールにして推敲をしなければと反省しております。

 

 

もうひとつの兼題「打水」の句では入選をいただくことができました。

 

水打つや昔御幸のありし道

 

埃を鎮め涼風を呼ぶためにする打水。木も草も人もその涼気に生き返るようです。また、お客様を迎える前に清めの意味でも玄関前に打水をするとありました。

そこで、この句は、身分の高い方が通る道には打水が相応しいと思い作りました。

しかしながら、現在の街の多くの道は、路地が砂地からコンクリートに変わりました。また、気温は夕方になっても落ちません。そんなことで、打水をしても熱気が上昇気流として生まれ不快指数が反対に増すことから、打水を見かけることがなくなりました。見るとしても、たっぷりの水をホースで撒いている情景でしょうか。

 

でも、古き良き日本を感じさせる季題です。大切にしたい日本人の風習だと思います。この「打水」のいう日本人の風習を言葉だけでも残していくことが、俳句の一つの使命だと思います。

(清一路記)